それは綺麗な「証明問題」として。

 

 小瀧くんの初主演作品、「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」のBlu-rayが出ました。

pinkperfectstar.hatenablog.com

映画公開当初はちゃんとした感想は書けなかったので、きちんとまとめておきたいと思いつつ……。2時間弱で綺麗にまとまるし、後味も良い作品なので、出来るだけ多くの方に観て頂きたいな、と。

フィクションの楽しみ方って、大きく二通りあると思っていて。一つは「どういう結末に至るんだろう」という結末を楽しむもの、もう一つは「どういう過程で、この結末に辿り着くんだろう」という過程を楽しむもの。

この作品って後者で。W主演だし、結末そうなるよね……という感じだし。ただ、そこに至るまでの描写が細かくて。初見より回を重ねて観た方が、より「このセリフに隠された意味」とか、「これを言わなかった」とかが見えてくる感覚がすごい好きで。証明問題を解くような感覚。だいっきらいだったんだけど証明問題。「答え、わかってるじゃん」って思うから。だけど「綺麗に解いていく」というパズルみたいな感覚。結末わかってるもの、何回もリピートするかな……と公開当初は思ったのだけれど、結局、劇場で4回観た。スクリーンで望くんを観たいとか、興行収入に貢献したい、というのも有ったけれど、映画自体が好きだった。たぶん物理的に可能だったらもう少し増えてたと思う。

あとは、全編、北海道ロケっていうのが良かった。日常だけど、非日常っぽい空間。当たり前の、見慣れた景色が「フィクションとして切り取られる」感覚。キャストの皆さんが「北海道の景色が綺麗」って揃って仰ってくださっているのが本当に良くて。そして、普段、大阪弁の望くんが演技で標準語でもぞくぞくするのに、北海道弁って。すごい。今後こんな機会、たぶん無い。そして、そこまで北海道弁全開じゃないのも良い……と思ったんだけれど、札幌圏の人間は「自分は標準語」だと思って生きている節があるので、標準語の人から見たら割とごりごりの方言なのかもしれない。そして標準語っていう表現がそもそも方言の持ち主なのかもしれない。

これ、映画観たその足でテンション上がって撮りに行ったんだけれど。その1年前に撮ってたんだ……と思うと感慨深いものがあるし、実はロケ地それぞれの現実的な距離は割と無視されている感じもフィクションっぽいので好き。

最後に、俺様系イケメンでしかめっ面ばっかりしている望くんも、イベントで盛り上げたり仕切ったりする望くんも、どちらも小瀧望で、その「2.5枚目っぷり」を遺憾なく発揮してて好きだー。のんちゃんのファンとして観ているのだけれど、のんちゃんゆいなまひろりっちゃん、揃ってかわいいし、スミレもかわいいし、ほかのキャストも良いひとばっかりだし、本当に良い作品で、のんちゃんの「初主演作」で良かったです。